シン中学1年生へ
入学式の祝辞が聞こえない⁉
先日、地元の中学校の入学式で祝辞の機会を頂きました。入学式には当教室の生徒も何人かいます。なかには小学校低学年から通ってくれている子もいて、それが中学生になるんですから感慨深いものがありますね。彼らにも響くようなことを伝えられたらと前の晩一生懸命考えて式に臨んだのですが。。。
式の翌日、教室にお迎えにみえたお母さんに聞くと後ろの方の保護者席では、音が反響してしまって喋っている内容がよく聞き取れなかったそうなんです。(残念)
折角なので、こちらにその原稿を掲載することにしました。よかったら、読んでみてくださいね。(冒頭と最後の方は、チャットGPTの出してきた例文を引用したので割愛しています)
チャットGPTの実力
「本日は、新入生の皆さん、そして保護者の皆様ご入学おめでとうございます。・・・楽しく充実した中学生活を送ってください。」
とここまでお話をさせて頂きましたが、じつは冒頭の文、すべて「チャットGPT」というAI、すなわち人口知能が導き出してきた例文です。
今、世の中の進化はとてつもない速さで進んでいます。昨年の秋ごろ発表されたこの技術は半年の間にも進化を続けていて、有名な技術者たちが半年間、開発をストップするよう声明を出すほどです。
そこで私もこの機能を使ってみたのですが、仕事が優秀なひとが数時間かけてする仕事をものの数秒で返してくれるという感じの精度でした。
この進化の速さを目の当たりにすると、10年後新入生に皆さんが社会に出るころには、かなりの確率で今ある仕事が置き換わってると想像できます。
では、このような時代に私たちはどうすればよいのでしょう?
実は、この状況にいちばん危機感を抱かないといけないのは、私たち、お父さんお母さんや先生方、おとなの方です。AIは元々膨大な過去のデータを使って答えを導き出しています。
ということは、私たち大人がこれまで作ってきたデータをもとにしているのです。なので、今の大人の仕事が奪われます。
一方、あなたたち未来の大人はこれからを作ります。データのない未来のことは、AIはとても苦手なんです。
私からの3つの提案
そこで、私からの提案です。
この中学校生活で以下の3つを実践してみて、AIに負けない人になってください。
1、自分の好きなこと得意なことをどんどん深堀りしていってください。
先日、野球の世界大会であるWBCを観戦し、とても感動しました。世界で戦っている野球選手は、心の底から野球が大好きで野球を心底楽しんでいました。上達への近道は、好きなことを突き詰めることです。「小さなことを積み重ねることが、とんでもない所に辿りつくただ一つの道」と言っていたのは、かつて、WBCで活躍したイチロー選手です。先日オンラインで対面した、アメリカ・ハリウッドの映画、スパイダーマンの3DCGを担当している日本人アーティストの方も同じことを仰っていました。誰でもできることを誰もできないくらい続けると夢を実現することができると。
2、友だちと協力すること。
先ほど紹介したWBCでは、それぞれのエキスパートが自分の得意なことでチームにどのようにして貢献できるかを、ひとり一人が自ら考え実践していました。4番バッターだった村上選手は、不振であった前半戦とても苦しんでいましたが、仲間の支えがあって、準決勝、決勝で大活躍しました。あの活躍は、チームみんなで築き上げたものです。ひとりひとりの能力は、そうそうたるメジャーリーガーの前には劣っていたかもしれませんが、チームワークで世界一をもぎ取りました。
3、自分のことを好きになってください。
さきほどのふたつのことを聞いて、好きなことないなとか、友だちそんなにいないしなって思った子もいるでしょう。でも、安心してください。あなたはあなたのままでいいんです。そして、素直に自分を好きになってください。あなたのことが好きなひとはきっと、どこかにいます。たったひとりの友達でも大丈夫。そうするとそれがあなたの魅力になります。
以上の3つは、AIにも真似できないことです。そして、AIが今ある、事を肩代わりしてくれる頃には、人が人にしてあげる仕事が残ります。それには、素直に自分が好きなことや得意なことで周りに貢献するという姿勢が大事です。ぜひ、この3年間で、この3つをはぐくんでください。
では、最後に優秀なAIが教えてくれた後半部分を紹介して私の挨拶とさせて頂きます。
「PTAは、皆さんの応援団です。・・・ありがとうございました。」
令和5年4月7日
右高英一
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