こんにちは。
岐阜市長良でSTEAM教育を実践している『ながら STEAM LAB』です。
これからの子どもたちが生きるのは、AIが身近に存在する新しい時代。正解のある問いに素早く答える力だけではなく、自分で問いを立て、仲間と協力しながら新しい価値を生み出していく力が求められます。
そうした未来に向けて、家庭でもできるSTEAM的な子育てのヒントをお届けしていきたいと思います。
第2回は、「AI時代に“正解”はない? 」というテーマです。答えが一つじゃない時代に必要なのは、「問いを立てる力」。家庭でできる“なぜ?”を深掘りする会話術を探っていきましょう。
自分で考える子を育てる方法
子育てをしていると、つい「正しい答え」を教えたくなる瞬間ってありますよね。
でも、AIがあらゆる“正解”を瞬時に導き出すようになった今、本当に必要なのは「自分で問いを立て、考え、試行錯誤する力」ではないでしょうか。
これまでの教育では、「正解を早く見つける子」が優秀とされてきました。でも、これからの時代に必要なのは「まだ誰も知らない問いを見つける力」「正解がない世界を楽しむ力」です。つまり、“自分で考える力”が、子どもたちの未来を切り拓く鍵になるのです。
では、どうすればそんな力が育つのでしょうか?
キーワードは「対話」と「余白」です。
◆「すぐ答えない」が、最高のサポート
たとえば、子どもが「これどうやるの?」と聞いてきたとき。
親としては教えてあげたくなりますが、そこをぐっとこらえて「どうしたらできると思う?」と返してみてください。
すると、子どもは一瞬考え込み、「うーん…こうやったら?」と、自分なりに仮説を立てようとします。うまくいかなくてもいいんです。この“自分で考えてみる時間”こそが、思考力の土台をつくっていきます。
◆問いかけを「一緒に考える」時間に
日常の中にある小さな“問い”を、親子で楽しむのもおすすめです。
「なんで空って青いんだろうね?」「この公園、もっと楽しくするにはどうしたらいいかな?」
そんな何気ない会話の中で、子どもは「自分の考えを持ってもいいんだ」と感じ始めます。
子どもの答えに「違うよ」と否定せず、「へぇ!その考え面白いね」と受けとめることで、自分のアイデアに自信を持つようになります。
◆正解よりも、“イイこと考えた!”と言えるかを大切に
AIは「最適解」を教えてくれるけれど、「あなたにとっての正解」は教えてくれません。
これからの時代に生きる子どもたちには、「人と違っていてもいい」「考えが変わってもいい」「失敗しても、そこから学べる」という感覚が必要です。
そのためには、私たち大人が「正解主義」から少し距離をとり、子どもの考えや迷いを一緒に見つめ、寄り添っていくことが大切です。
子どもが問いを持ち、自分なりに考え、世界と関わっていく力。
それこそが、AIにはできない「人間らしい創造の源」です。
正解のない未来を生きる子どもたちに、“自分で考える楽しさ”という未来を切り拓く鍵を手渡していきませんか?

右高英一

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