こんにちは。
岐阜市長良でSTEAM教育を実践している『ながら STEAM LAB』です。
これからの子どもたちが生きるのは、AIが身近に存在する新しい時代。正解のある問いに素早く答える力だけではなく、自分で問いを立て、仲間と協力しながら新しい価値を生み出していく力が求められます。
そうした未来に向けて、家庭でもできるSTEAM的な子育てのヒントをお届けしていきたいと思います。
第1回は、「お絵描きは最高のプログラミング?」という、少し意外なテーマから始めてみましょう。
「プログラミング教育が必要」と聞くと、つい“タブレットやコードを打つ姿”を想像してしまいがちですが、実は子どもの未来を考えたとき、一番に育てたい力は“想像力”です。
「こんな世界があったら面白いな」
その意味で、私が心からおすすめしたいのが「お絵描き」です。
絵を描くという行為には、たくさんの“プログラミング的要素”が詰まっています。
たとえば、「こんな世界があったら面白いな」と空想する【想像力】、それを頭の中で形にしながら「何をどこに描くか?」を考える【構造化する力】、さらに、「色をどう組み合わせるか」「このキャラはどう動くか」といった【論理的思考】や【シミュレーション能力】もフル稼働しています。
プログラミングとは、言ってみれば“頭の中のイメージを、順序立てて形にしていく力”。
その準備運動として、お絵描きはまさに最高の教材です。
そして何より大切なのは、お絵描きには“正解がない”こと。
今の子どもたちは、正解主義の教育の中で「間違えたらどうしよう」と考えがち。でも、絵の世界では“自分が見たまま・感じたまま”がすべて正解です。AIには作れない、“その子にしか描けない世界”があるのです。
実際、STEAM教育先進国のアメリカでは、アートは「表現力」や「思考の柔軟性」を育む重要なカリキュラムとして位置づけられています。
日本でも、「うちの子、将来は理系に強くなってほしい」と思うお母さんほど、実は“お絵描きの時間”を大切にしてほしいのです。
だからこそ、お子さんが何かを描いているときは、「それ何の絵?」「どうしてこの色にしたの?」と、ちょっと興味を持って聞いてみてください。
その一言で、子どもの頭の中の物語がどんどん広がっていきます。
「それ何の絵?」「どうしてこの色にしたの?」
AI時代に必要なのは、「命令をこなす力」ではなく、「自分の世界を創り出す力」。
それは、何か大きな道具がなくても、お家の中の紙とクレヨンさえあれば、今すぐ育てられるチカラです。

右高英一

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